着付教室・復習コースー3ー(セミナー)
(竹林と茶室)



お昼を挟んで午後はちょっとした販売会のようになります。まぁ、無料の着付教室だからこういうのがあっても仕方ない。ただ、「法外な値段で買わされる」とか「買わないと帰れない」ということはないのでご安心ください。でも、結構すすめられます。置いてある反物の中から、気に入ったものを選んで合わせてもらうんですが、ただ長いだけの反物を使って、あっという間にまるで着物を着てるかのように見せてくれるあの技は、いつ見ても関心しますね。
で、何気なく選んだ反物を羽織風に合わせてもらうとすごーく良かったんです。でも28万(仕立て代込)もしてました。織模様の入った生地に深い味わいのある色が染められ、そこに描かれたかわいらくメルヘンチックな柄。伝統に新しいものが吹き込まれ、とても新鮮な作品に仕上がっていたそれは充分価値のあるものなんですが、それでもやっぱりこの金額は出せない。かといって、いたずらに値段交渉をするのも、職人の尊厳を踏みにじるような気がする。
着物は一生ものとか、本当に良いものは何世代も渡って着れる、というのをよく聞くけれど、着物にも実は流行があるし(本当に良いものは流行さえも呑み込む懐の深さがある)、自分より小柄な母や祖母の着物を着るのは、仕立て直しをしたところでやはり限界がある、というのが最近わかってきた。そんなにしょっちゅう着るものでもないし、コストパフォーマンスは決して良いものではないと思う。
ただ、本当に良いものを身につける事によってもたらせられる精神の高みというか、心がスッと入る感じに価値を見いだした人は、その値段を払ってでも手に入れたくなるんだろうなぁ。そもそも、こういう実用品でないものに、コスト意識を持ち出す事自体が間違ってる気がしてきた。でも、出来上がるまでの工程を考えると納得できる値段でも、自分がお金を出して手に入れたいと思える値段とはまた違う、というのが現実だと思う。なんとかそこの溝が埋まらないものですかね。余計なお世話だけど、そんなことを考えてみた一日でした。自分自身、物作りの立場として(趣味の範疇だけど)作り手のこだわりが、単なる押し付けにならないように気をつけたいものです。
そうそう、来週は旅行のため休み、その次の週も私事都合で休む事にしました。なので復習コースは今日が最後。毎年あるそうなので、最初に教えてもらった先生のクラスがある時にまた行きたいです。
▲ by 723balance | 2005-08-10 23:11 | 着物 | Comments(0)